自動車を運転していて、ボディ(車体)にちょっとした傷やへこみを付けてしまったとき、皆さんならどうしますか?
おそらく多くの人が、ディーラーに修理を依頼するのではないでしょうか。
しかし、実はディーラーに持ち込むよりもお金をかけずに修理する方法があるのです。
それが、鈑金塗装業者に直接車を持ち込むという方法。
ここでは、鈑金塗装業者に車を修理してもらう場合、どのくらいの費用がかかるのかを解説します。
鈑金塗装業者とは、骨格フレームの歪み曲り修正、ボンネット、ドア、ルーフ、フェンダー、バンパーなど、
鋼板(鋼鉄の板)でできている自動車の外装パーツを修理する専門業者のこと。一口に「鈑金塗装」と言いますが、
実際の作業は「鈑金」と「塗装」に分かれます。
「鈑金」は、鋼板を叩いたり、引っ張ったり、削ったり、溶接したり、あるいは部品ごと交換したりして、変形してしまった車体を元の形に修復する作業。
その上で、下地、塗装、磨きという「塗装」の作業が行われ、車体の修理が完了します。
ではなぜ、鈑金塗装業者に直接持ち込むほうがディーラーよりも安上がりなのでしょうか。
それは、ディーラーに車体の修理を依頼しても、結局は外部の鈑金塗装工場に下請に出すケースがとても多いから。
もちろん、多くのディーラーは自社内にサービス工場を持っています。
しかし、そういったサービス工場の業務は、エンジン、ブレーキ、トランスミッションなど車の走行装置に関する点検整備がほとんど。
ボディ鋼板を裏側からハンマーで叩いて整形する、などといった鈑金作業は行いません。
そのため、顧客から車体に関する修理依頼が入った場合は、車体修理のプロフェッショナルである鈑金塗装業者に外注するのが通例になっています。
その場合、ディーラーから顧客に請求される修理費は、鈑金塗装業者の工賃にディーラーの中間マージンを上乗せしたもの。
一般的に、そのマージンは30~50%と言われていますから、ディーラーを通さず、鈑金塗装業者に直接持ち込めば、その分割安になるわけです。
また、自社に鈑金塗装工場を持たないディーラーは、鈑金塗装を行えば修復可能なキズやへこみであっても、新品パーツに交換してしまうケースも多いとか。
そのため、鈑金塗装だけなら数万円で済んだはずの修理費が、一気に数十万円にまで膨らんでしまう場合もあるようです。
では、車体のちょっとした傷やへこみの修理を鈑金塗装業者に依頼した場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
傷やへこみの位置や程度によって、ケース・バイ・ケースなのですが、修理箇所別に修理費の相場をまとめれば、次のようになります。
バンパーの傷……1.5万円超。
バンパーのへこみ……2万円超。
ドアの傷……1.8万円超。
ドアのへこみ……3万円超。
サイドドミラーの傷……1万円超。
フェンダーの傷……1.8万円超。
フェンダーのへこみ……3万円超。
ちなみに上記の費用は、国産普通車(5ナンバー)を想定したもの。
意外にリーズナブルな料金に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
愛車の修理が必要なとき、「鈑金塗装業者に持ち込む」という選択肢も、検討する価値がありそうです。