現在、日本における輸入車販売台数は年間20?30万台、新車販売全体に占める市場シェアは6~8%(日本自動車輸入組合調べ)。
かつては憧れの的だった輸入車も、今ではすっかり身近な存在になりました。
しかし、輸入車は修理が難しい、時間と費用がかかると言われることが多く、購入に踏み込めない人も少なくありません。
ここでは、そんな方のために国産車と輸入車の修理の違いについてご紹介します。
国産車と輸入車の違いはどこにあるのか。最も顕著な違いは、ハンドルの位置だと言えます。
とはいえ、全ての輸入車が左ハンドルというわけではありません。
日本をはじめ左側通行の国(イギリス、オーストラリア、インドなど)では右ハンドルが採用されています。
一方、世界で多数派を占める右側通行の国(アメリカやイギリス以外の欧州地域、中国、韓国など)では、基本的には左ハンドルが採用されています。
一時期、日本の交通事情に合わせて、日本向け欧米車に「右ハンドル仕様」が登場したこともありますが、
左ハンドルの方がかっこいいという輸入車オーナーが多かったせいか、近年では見かけなくなりました。
ちなみに、日本のように右ハンドル車と左ハンドル車が混在しているのは、世界では珍しく、
多くの国ではハンドルを左右どちらにつけるかを法律で規制しています。
例えば、フィリピンではハンドルは左と決められていますので、フィリピンに輸出される日本車はすべて左ハンドル仕様になっています。
「輸入車は国産車に比べて故障しやすい」と認識している方が多いようですが、そういった事実はありません。
ただし、輸入車は現地の気候に合わせて製造されるため、高温多湿の日本で走行することで電気系統に不具合が出る可能性は否定できません。
中には、日本の気候に合わせて冷却装置を強化している輸入車もあるようです。
購入の際は、輸入車の仕様をしっかりと確認するようにしましょう。
輸入車が故障したとき、あるいはボディに傷を付けてしまったとき、修理費は国産車よりも高くなる傾向にあります。
というのも、輸入車は高級車である場合が多く、そもそもの部品代が高額なうえ、特殊な部品は本国から取り寄せなければならず、
日本までの輸送に費用が余計にかかってしまうからです。部品を取り寄せている分、修理に時間を要します。
また、輸入車は国ごと、メーカーごとに特殊な部品を使っている場合が多く、
取り付け、取り外しに専用の工具が必要になるなど、修理できる工場が限られてしまいます。
そのため、主要パーツと工具が揃っている正規ディーラーに修理を依頼することが一般的です。
今ではすっかり身近な存在になった輸入車ですが、修理に出すときのことも踏まえて購入を検討する必要があると言えるでしょう。